お客様の挑戦
Bell Helicopter 社は、テキサス州フォートワースに活気あふれる機械試施設を稼働しています。そこでは 25 名のエンジニアと技術者が、Bell 社の新モデルと旧モデルのあらゆる種類の試験を管理し、疲労、静電、振動試験から、油圧、燃料システムコンポーネントの特性評価までを実施しています。
Bell Helicopter 社で 35 年のキャリアを持つ試験エンジニアの Don Ross 氏によると、かつては最先端だった制御装置が数年前から、生産性の妨げになっていることが認識されていたといいます。「この施設では旧式のサーボ制御技術がたくさん使用されていて、時間と共に老朽化が進んでいました」と Ross 氏は語ります。「制御プラットフォームのアップグレードの必要性は明白でしたが、既存のオリジナルのデータ収集やコマンドシステムの中で新しい制御装置を機能させるのは複雑になるため、躊躇していました。」
Bell 社試験ラボで新しい制御プラットフォームを採用するのは、実に大変なことです。この新しい制御装置を、施設内で使用されている様々な試験治具に接続するためには、大幅なインターフェースのカスタマイズが必要となります。さらに複雑なことに、既存の Bell 社のデータ収集やコマンドシステムとのインターフェースには、カスタムコードの開発が必要になります。
また、試験場間の移動に対応できる柔軟性や、今日のデータ処理速度の向上に伴うチャンネル数の増加に対応できる拡張性も必要でした。「当社の試験台のほとんどは、航空機の特定のコンポーネントや構造要素をテストするために設計された独自のものです」と Ross 氏は言います。「また、当社はボックスを移動させたり、異なる試験治具で使用したりすることが多いため、新しい制御装置を既存の試験場に持ち込んで、ケーブルを接続し、必要なセットアップを行ってから試験を開始できることが必須です。」
Ross 氏はこの大きな課題には、システム統合とカスタム開発の両方を専門とする試験ソリューションパートナーが必要だと考えていました。「MTS との話し合いを重ねるうち、我々の制御プラットフォームをアップグレードする可能性が現実味を帯びてきました」と Ross 氏は語ります。「当社では、MTS が当社に必要なカスタム作業を、多忙なスケジュールへの影響を最小限に抑えて実行可能だという結論に達しました。そこで、当社のラボの制御システムのでアップグレードを MTS にお願いすることにしました。」
MTS のソリューション
MTS は、現在および今後の試験ニーズに対応するデジタル制御プラットフォームを試験ラボに提供するため、先日 FlexTest® 制御装置シリーズを発表しました。すべての FlexTest 制御装置では、ハードウェアボードとユーザーインターフェースツールを共通化しているため、ハードウェアの標準化を推進し、試験の生産性を向上させることができます。また、このモジュール式制御装置は簡単に設定することができ、あらゆるテストアプリケーションに対応しています。
2008 年夏、Bell Helicopter 社は、新しい制御プラットフォームとしてクラス最高の AeroPro™制御とデータ収集ソフトウェアを備えた FlexTest 制御装置を選択しました。高い柔軟性を誇る FlexTest 60 -4チャンネル制御装置は、「マスター/スレーブ」構成で簡単に配列することができ、より多くのチャンネル数のテストに対応しています。これには、制御装置をセンターの社内データ収集およびコマンドシステムと「デイジーチェーン」で接続するカスタムマルチボックスアプローチが含まれます。
Bell Helicopter 社はその後、さらに 10 台の FlexTest 60 制御システムを購入しました。
「当社のラボの制御システムを全面的にアップグレードすることは大きなプロジェクトでしたが、全体のプロセスがスムーズかつ効率的に展開されたことに感銘を受けました」と Ross 氏は語ります。「そして同様に重要なのは、MTS がこのカスタム作業をすべてオフラインで完了させ、当社の忙しいスケジュールへの影響を最小限に抑えてくれたことです。そして、作業が終わると、新しい制御装置は基本的にすぐに使える状態になりました。」
お客様のメリット
FlexTest 制御プラットフォームへのアップグレードが完了した現在、Ross 氏はテストの効率と生産性の向上を期待しています。「これで、当社のサーボ制御システムはさらに信頼性が増し、試験のセットアップがより迅速かつ容易になりました」と同氏は言います。「当社施設の全員がこのアップグレードを喜んでいます。」
施設内での FlexTest 制御装置の移動や、必要に応じて複数の制御装置の接続が可能なため、試験エンジニアは認証プロトコルの実行や、データ分析による試験技術の向上といった、Bell 社の機械試験施設のような多忙なラボに必要な柔軟性を備えています。
「チャンネル数の多い試験にも簡単に対応でき、必要に応じたチャンネル数だけ閉ループとすることができるようになりました」と Ross 氏は語ります。「当社の制御装置が明らかに前進しており、MTS に期待してきた知識とサポートに支えられていることを確認できて安心しています。今後も FlexTest プラットフォームの試験機能を拡張していくことを楽しみにしています。」