お客様の挑戦
1993 年に設立された IMA Materialforschung und Anwendungstechnik GmbH (IMA) は、エンジニアリングサービスプロバイダーおよび受託試験ラボとして、航空宇宙、自動車、鉄道、風力発電の各業界に幅広いサービスを提供しています。IMA は、ドイツのドレスデンに拠点を置き、主に材料や構造部品の特性把握、検証、認証に取り組んでいます。
IMA は非常に多くの業界に関わっているため、試験での作業負荷は動的で多様性に富み、進化する市場要件に対応するための顧客のニーズを反映しています。新製品を迅速に市場に投入しなければならないというプレッシャーは、IMA がサービスを提供しているすべての業界に共通しており、基本的に迅速な応答が求められています。もちろん、IMA の顧客も、製品開発プロセスの加速、および最適化に役立つ正確で高品質な結果を求めています。
「お客様の問題を解決することが我々の主な職務です」とIMA の営業部長 Timo Grahnert 氏は語ります。「私たちは毎日、独自の試験セットアップを開発、構成、実施しなければなりません。それぞれのセットアップは、異なる負荷をかけたときの材料の挙動試験を実施する際に使用されます。当社の試験システムは高い柔軟性を備え、結果は信頼できるものでなければなりません。」
この課題は、耐久性試験のための負荷スキームが非常に複雑になることがある自動車の試験では特に困難です。
「幅広い信号周波数による動作負荷をシミュレートする必要があります」 と、Grahnert 氏は述べています。「何が起ころうと、当社の顧客は素早い反応を期待しています。その結果として、新しい試験アレンジにも簡単に対応できるモジュール構成で柔軟性の高い試験システムが必要です」。
MTS のソリューション
常に進化している試験構成の課題に対応するために IMA が導入したツールの一つが、MTS の MAST(多軸シミュレーションテーブル)システムです。このシステムはヘキサポッド設計のモデル 353 で、MTSとIMAのエンジニアが開発した特注のテストリグの基盤となり、6 自由度(6DOF)の機械的振動を受ける自動車部品の耐用年数検証を行います。また、この特注のテストリグには、熱負荷用の多流量天然ガスバーナーが搭載されており、テストエンジニアは、天然ガス、燃焼空気、混合空気を正確に混合させて、幅広い温度と流量に対応することができます。
「我々は非常に柔軟でなければならない 」と Grahnert 氏は述べています。「それはとても重要なことで、だからこそ我々は MTS のシステムを使っているのです。」
IMA では、MAST システムの高周波振動機能を利用して、次世代の排気系やその他車体構成部品の複雑な耐久性試験、また内外の熱衝撃に構成部品がどのように応答するか評価する追加試験を行っています。試験は、シングルチャンネルからマルチチャンネルまでの広い領域で加速度、荷重、温度を制御し実施します。試験はシングルチャンネルからマルチチャンネルまで幅広い領域で実行し、それぞれに温度、加速度、荷重などを慎重に制御する必要があります。
「私たちは、顧客から提供された全く新しい構成部品を試験することが多いので、参照とする前例がありません」と Grahnert 氏は述べています。「私たちは振動および熱負荷の組み合わせも行っています。排気システムの試験には 2 週間ほどかかるものもあります。正確なシミュレーションが必要ですし、結果も再現できる必要があります。MTSはこれらの目標をすべて達成するのに役立っています。」
お客様のメリット
IMA にとって、MTS MAST システムの最も重要な利点は、多様な試験セットアップに対して素早く構成を設定できることです。具体的には、このシステムの 6DOF 機能により、重要な高周波コンテンツを組み込み、限界非線形応答効果を励起することで、特徴付けが難しいサービス環境を正確にシミュレーションする事が可能です。
本システムには、MTS FlexTest® デジタルコントローラが搭載されており、あらゆる試験ニーズに対応した高速閉ループ制御、関数生成、トランスデューサの調整、データ収集を行うことができます。さらに、IMA の試験エンジニアは、MTS Component RPC® Pro ソフトウェアを使用して、時刻歴、タイムアウト、計算されたチャンネル、FFT(高速フーリエ変換)の調整など、リアルタイムで結果を分析しています。コントローラもソフトウェアも、IMA が対応しなければならない独自のあらゆる試験構成に対して、制御と分析を提供する柔軟性を備えています。
また、現地の MTS サポートチームのノウハウも重要な役割を果たしています。「MTS は自らの役割を良く果たしてくれています」と Grahnert 氏は述べています。「彼らはとても熱心で、献身的で、スピード感があります。困ったときにはいつでも迅速に対応してくれます。」
現在、MTS と IMA は、車両の暖房システムやラジエーターの構成部品など、通常の使用環境で振動と熱の両方に耐える必要がある他の部品に MAST システムの利用を拡大するよう共に取り組んでいます。
「MTSの試験システムは最先端の機器です」と Grahnert 氏は述べています。「そして、cRPC Pro ソフトウェアは、自動車試験の業界標準になっています。このソリューションを試験ラボに導入することで、IMAは安定してさらに多くの複雑な負荷状況をシミュレートすることができるようになりました。」