圧縮試験では、潜在的な変数を見直して管理することが重要です。なぜなら、わずかな変数が導入されるだけで試験片の挙動が変わってしまうからです。この変動性を管理し、結果の精度を高めるために、次々と行うテストのデータの一貫性を確保する際に役立つ 6 つのヒントをご紹介します。
1. 詳細の記録
試験セットアップの詳細をすべて記録することに時間をかける価値があります。試験結果に影響を及ぼす可能性がある変数には、試験片の取付け方法、使用するインターフェース、作動技術などがあります。そのため、試験片のテストを行うまでの時間や、ラボの温度や湿度レベルが異なるため、同じテストを夏場と冬場に行うこともあります。また、西向きの大きな美しい窓はどうでしょう?西向きの窓は午後になると、午前中とは異なる試験値が生じやすくなります。
2. アライメントを可能な限り完璧に近づける
圧縮試験では、完全な円形や正方形の試験片はほとんどありません。試験片とグリップの角度や同心度の管理が不十分なため、圧縮試験では、試験片の中心を押したり、試験片の端をまっすぐに押したりすることができません。試験片の長さや幅が不揃いとなるのは当然であるため、試験の再現性を重視し一貫した試験データを生成するには、試験システムの調整が非常に重要となります。例えば、円筒形の試験片は、圧縮した場合一貫性なく座屈する傾向があります。試験システムの調整が少しでもずれると、圧縮された試験片は、ホッケーのパックというよりは斜塔のように見えるかもしれません。試験前の調整に細心の注意を払うことで、優れたスループットを維持することができます。
3. 治具への固定
グリップ、プラテン、治具は、試験の間直接試験片に接触します。特定の用途に適していなかったり、品質が悪いために早期に摩耗したりすると、ばらつきが生じ、最終的にはスループットに影響を与えることになります。治具が変われば、テストデータも変わります。そのため、各テストの治具には細心の注意を払い、テストラボ内のすべてのグリップ、プラテン、治具を定期的に点検することが不可欠です。最高品質の付属品に投資することは、すぐに元がとれる賢い選択です。
4. トランスデューサ技術の考察
圧縮試験では荷重や変位を測定するのは困難です。というのも、測定装置は文字通り邪魔になり、試験の対象になってしまう傾向があるからです。この現象は、試験データの信頼性を損なうだけでなく、高価な測定装置を壊してしまう可能性があります。トランスデューサーを犠牲にすることなく、適切なデータを得るためにはどうするのが一番良いのでしょうか?非接触式伸縮計を使用するのが、一般的な回避策です。また、定期的にトランスデューサを検証するシンプルで効果的なプロセスを用意しておくことも重要です。
5. スマートなデータ収集の採用
多くの圧縮試験は、最初直線上で実施しますが、試験片の潰れ、しわ、あるいは降伏が発生した場合、直線上ではなくなります。例えば、曲げや圧縮降伏を見極めようとする際、データ取得率が十分でないと、この重要な遷移を見逃す可能性があります。「レベル交差」とデータ取得の「タイミング」を合わせることで、優れた結果が得られる可能性があります。
6. 自動化
品質試験は、スピード、一貫性、再現性が重要です。そのため、プロセスから人の介入や手作業を排除できれば、それに越したことはありません。それは、撮影したデータをのアップロード方法や、ネットワークデータベースへの保存方法にまで及びます。
生じるすべての変数に気を配ることは難しいですが、テストラボの最終目標は常に一貫性があることです。上記のポイントは、圧縮試験のばらつきを抑えるために考慮すべき重要な項目の一部です。あらかじめこれらの作業に少しでも時間を費やすことで、長期的にはるかに時間を節約でき、稼働率を高めることができます。
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