電車のパンタグラフとトロリー線が接触する部分は、鉄道部品メーカーや試験エンジニアにとって、最も複雑で理解しにくい環境のひとつです。この厳しい環境を試験ラボで再現し、パンタグラフの摩耗や性能に関する貴重な洞察を得るために、以下の動画にあるような世界初の MTS シミュレータを中国鉄道科学研究院(CARS)向けに設計し構築しました。
MTS パンタグラフの摩耗および性能システム は、制御下にある再現性のあるラボの設定で、接触棒とトロリー線の間の非常に動的環境を正確に再現することができます。最大 550 kph で回転する直径 4m のディスクの下端にトロリー線を取り付け、列車の速度をシミュレートしています。このディスクは、可変速度をシミュレートするようにプログラムされ、実際の列車速度の時刻歴を実行再生することができます。トロリー線の垂直方向の動力をシミュレートするために、ディスクは垂直変位の時刻歴を再生したり、剛性をシミュレートしたりできるモーションキャリッジに取り付けられています。また、キャリッジがジグザグに動くことで、 接触棒上をトロリー線が通過する実際の動きを再現しています。パンタグラフの試料は、 鉄道車両 の上下の動きをシミュレートする振動台に取り付けられます。最大で 2,000 アンペアの電流を接点上に流し、シミュレーションを完了させることができます。 ワイヤーのジグザグな動きに追従する計装キャリッジにより、接触棒とトロリー線のリアルタイムなモニタリングを実現します。