はじめに
高度な制御技術を備えたマルチサンプルテストシステムを構築し、ユーザーは血管内器具から切り取ったニチノール製の単一頂点サンプルの破断を個別にモニタリングすることができます。このシステムでは、各工程で故障の危険性を示す試験周波数で 1 グラム以下の負荷低下を確実に検出し、負荷低下の前兆が検出された特定の工程のデータ取得率を高めることができます。使用されているソフトウェアでは、オペレータは長期疲労に必要なピークバレー負荷データを記録することができますが、試験中のすべてのロードセルからデータを記録する負担をかけることなく、負荷低下が発生したときにのみ、そのロードセルのユーザー定義のサイクル数を取り込む機能も備えています。対象の試験部位だけを拡大して詳細に見ることができます。破断後、このシステムを使えば、ユーザーは試験を継続すべきか、損傷した試料を除去するために一時停止すべきか、あるいは他の試料を損傷させずに終了すべきかを判断することができます。
実験結果
血管内器具から切り取ったニチノール製の単一頂点サンプルを破損するまで循環させて、マルチサンプル試験システムに使用した高度な制御技術を検証しました。負荷測定システムは補正されており、破断前の単一サンプルの負荷低下を検出するのに十分な感度を備えています。8 個の試料をシステムに設置し,個々に調整して予圧がゼロになるようにしました。このシステムでは,試料の破断が検出されるまで、 3 mm の変位で 40 Hz の試料を循環させました。このソフトウェアの手順では、以下の図 1の赤の破線で示すように、ピークとバレーの負荷測定値が所定のリージョンに入ったことを検出した時点で、データ取得を開始しました。Fig.1 の青の破線で示すように、負荷値が 90% 減少すると、データ取得率が高い状態で破断検出プログラムを開始しました。
図 1:NiTi 試料の破断検出
破断を検出した後,以下の図 2 に示すように、残りの試料にそれ以上のダメージを与えることなく,0.1秒以内にシステムを停止させるようプログラムを制御しました。この手順は、すべての試料について試験を終了するのではなく、試料の検査または除去のために試験を一時停止するように変更することができます。一時停止機能を使用すると、サイクルカウントやデータを失うことなく、ダメージがない残りの試料に対して引き続きライフサイクル試験を実施することができます。
図 2:破断検出後のシステムの制御停止
検討
マルチサンプル試験システムでは、下図のような手順で、ライフサイクル試験中の個々のニチノール試料の損傷を検出し、モニタリングします。1 グラム以下のピークまたはバレーの負荷軽減は、周波数で確実に測定できます。その後、ソフトウェアはシステムを停止して検査を行うか、そのまま継続してデータストリームから破損が生じた負荷位置を削除します。この機能は固有のものだと我々は考えています。
図 3:システム応答の検討
結論
マルチサンプル試験システムで使用されている高度な制御技術により、ニチノールの頂点の破断を個別にモニタリングし、記録することができます。試験の一時停止や停止機能は高度な技術で制御されており、設置されたサンプルにそれ以上のダメージを与えることはありません。また、こうしたソフトウェア機能により、停電や予期せぬ妨害があった場合でも高い信頼性が得られます。また、オペレータが指定したデータ収集方法や分析方法を制御システム内に追加することで、特定試験のニーズに対応することができます。ニチノールの頂点の負荷減少を個別に検出できるため、試験中の機器の破断に関する高度な洞察が得られます。